Marconi Union "Distance"

マルコーニ・ユニオンhttp://www.marconiunion.com/ http://en.wikipedia.org/wiki/Marconi_Unionは英国マンチェスターを拠点に活動するリチャード・タルボット(Richard Talbot)、ジェイミ―・クロスリー(Jamie Crossley)、ダンカン・メドーズ (Duncan Meadows)の3人によるユニットである。2003年にデビューアルバム"Under Wires and Searchlights"を英国の独立レーベルであるオクレレコーズ(Ochre Records)よりリリースした。その後2005年にブライアン・イーノ(Brian Eno)が運営にも関わっていたレーベル、オールセインツ(All Saints)より、セカンドアルバム"Distance"を同レーベルより発売された。私が最初にこのユニットを聞いたのはこのレーベルのコンピレーションアルバムであり(確か1000円以下の値段で流通していたと思う)、そこからさかのぼって聞き始めた。残念ながら、オールセインツはワーナーブラザーズに買収されて消滅してしまったわけであるが、セカンドアルバムは今年度 (2012年)にリマスター盤が再発され、入手が可能になった。2008年にウェブサイトを通じてアルバムを販売するため、デジタルレーベル、MU Transmissionsを立ち上げた。

2011年10月16日に英国音楽療法アカデミーとの共作により、"Weightless"を制作した。この曲はマインドラブ社の科学者の調査によると、被験者の不安感を65%減じさせ、心拍数を35%抑える効果があることが明らかにされている。http://www.telegraph.co.uk/comment/telegraph-view/8830789/Send-you-to-sleep-sound.html
"Weightless"は、もっともリラックスできる曲として、一般にも広く知られており、フリーダウンロードができる。

"Weightless"

Marconi Unionの音楽はアンビエントを基調とした、エレクトロニカであり、ミニマルダブやテクノの要素も併せ持つ。曲調が途中で劇的に変化することはなく、淡々とミニマルなビートを繰り返す静かな曲がほとんどである。確かに癒しの効果が認められるかもしれないが、ニューエイジ的なヒーリング音楽とは違い、ダークで少し陰鬱なところがあり、必ずしも万人に支持されるとは限らないのではないか。温かみのある有機的な音というよりも、クールに突き放したような少し冷たい感じの音響作品と呼ぶべきかもしれない。朝、いや夕方でもいいが、気分をクールダウンする時に、聞くのに適しているような気がする。

アルバム
1. Under Wires and Searchlights (Ochre Records 2003/Just Music 2012 [Remastered])
2. Distance (All Saints Records 2005/Just Muci 2012 [Remastered])
3. A Lost Connection (MU Transmissions, 2008)
4. Tokyo (Binemusic, 2009)
5. Beautifully Falling Apart (Ambient Transmissions Volume 1) (Just Music, 2011)

"The Currer Bell Version" (from "Under Wires and Searchlights")

"Sleepless" and "These European Cities (from "Distance")

"Stationary" (from "Lost Connection")

"Shibuya" (from "Tokyo")

"Akihabara (Electric Town)" (from "Tokyo")

"Breathing Retake" (from "Beautifully Falling Apart")