Alejandro Jodorowsky "La Danza de la Realidad" (アレハンドロ・ホドロフスキー 「リアリティのダンス」 )

ホドロフスキーの「リアリティのダンス」は同名の自伝に基づいた映画で、自伝は異なり、映画は少年時代に焦点を合わせて作られており、青年期以降の出来事は描かれていない。

映画ではロシアからのユダヤ系移民の息子として商店を営む父と母の基に生まれ育ったチリの町、トコピージャを舞台に展開する。父は熱心な共産主義者スターリンを崇拝しており、家の目立つところに肖像画を飾っている。髪型や髭もスターリンに似せた格好をしており、暴力的な言動が多く、息子に対しては常軌を逸した厳格さで当たっている。言動に首尾一貫性を持たせようと脅迫神経的に思い詰めてしまった結果、破綻してしまっている人間の典型のようなもの、といえばいいのだろうか。母はオペラ歌手になりたかったのだが、夢かなわず、店の売り子をしていた。映画の中ではオペラ歌手が演じており、セリフは全て旋律がついたミュージカルのようなしゃべりだった。

マジック・リアリズムといえば陳腐にきこえてしまうが、映画の中では奇妙な出来事が次々に起こるが、それはホドロフスキーの頭の中で再構成された記憶の再現であるとはいえ、疑いようもなく現実の反映であるにちがいない。

Official US Trailor

The Tarot

WebDICE ホドロフスキー特集: http://www.webdice.jp/dice/series/49/
「リアリティのダンス」公式HP: http://www.uplink.co.jp/dance/