Alejandro Jodorowsky "Jodorowsky's Dune" (「ホドロフスキーのデューン」)

ホドロフスキーの「デューン」はフランク・ハーバートの小説「砂の惑星デューン」(ハヤカワ文庫、現在絶版)を映画化しようとして、頓挫したプロジェクトの失敗を振り返ったドキュメンタリーで、ホドロフスキー本人と当時の関係者へのインタビューで構成されている。主演にシュールレアリストのサルヴァドール・ダリ、俳優で映画監督のオーソン・ウェルズローリング・ストーンズミック・ジャガー、音楽はピンク・フロイド、美術に後にエイリアンで知られるようになったH.R.ギーガー、特撮にダン・オバノン等を揃えて制作を始めるつもりだったようで、実際監督自身が交渉をしている。2,000ページにも及ぶ精密な絵コンテを作り、周到な準備をして臨むのだが、結局この企画は実現することはなかった。しかしながら、関係者に渡ったこの絵コンテが「スター・ウォーズ」から「エイリアン」、「マトリックス」に至る後のハリウッド映画に多大な影響を与えたことは確かで、種は蒔かれて(予定外のところに)実を結ぶことになったわけである。映画会社としては「エル・トポ」や「ホーリー・マウンテン」を撮った得体の知れない人物に任せられないという不安があったのだろう。「デューン」は1985年にデヴィッド・リンチによって映画化されているが、評価は高くない。ホドロフスキーはリンチの「デューン」を見て、あまりのひどさに笑ってしまった」と正直に答えている。

Jodorowsky's Dune Official Website: http://jodorowskysdune.com/