Carter Burwell, Bill Condon "Gods and Monsters"

1998年に制作されたアメリカ映画で、アカデミー賞で3部門(主演男優賞・助演女優賞・優秀脚色賞)受賞を始め、多くの賞を受賞し、高い評価を得た。地味な内容と話題性の乏しさのせいか、観客の動員が見込めないだろうという理由で、日本での劇場公開は見送られた。当初はビデオ発売のみであったが、作品を見た映画ファンの間でネットを中心に上映運動が起こり、東京の銀座テアトルシネマを皮切りにレイトショーのみの公開が実現した。

Gods and Monsters 公式サイト(英文): http://www.godsandmonsters.net/
Gods and Monsters (Wikipedia) (英文): http://en.wikipedia.org/wiki/Gods_and_Monsters
まだ終わりじゃない〜「ゴッドandモンスター」が辿る数奇な運命 http://sprocket.eek.jp/monthsp/month2000July-2.htm
「ゴッドアンドモンスター」日本公開推進広報委員会(私設): http://www003.upp.so-net.ne.jp/gyokusekikonko/iinkai.html
「ゴッドアンドモンスター」劇場公開の裏話: http://www.cinematoday.jp/page/A0000119

"Gods and Monsters"は紆余曲折を経て、なんとか日本で上映に漕ぎ着けることができました。上映前にビデオで見て、確かに優れた作品だとは思いましたが、上演運動するほどのものなのかな、という疑問がなかったわけではありません。ビデオ版は画面のトリミングの比率が劇場版と違うなど、杜撰な作られ方をしているという指摘もありました。この問題は、現在流通している日本版のDVDでも解決していないようで、ちょっと値段は高いですが、アメリカ版を購入した方が良さそうです。

映画は2000年の12月23日に公開が開始され、ちょうど年末だったこともあり、東京に立ち寄った際に見ることができました。やはり、劇場で見ると映画から受ける感銘が全然違いました。上映運動のせいもあるのでしょうが、劇場のスタッフや観客にある種の熱気が感じられました。会場に「気」が充満しているとでもいうのでしょうか。こういうのは意外と重要なことなのですが、案外見逃されていることが多いように思われます。数か月後に広島で公開されたときは、一週間のレイトショーのみでしたが、そういう雰囲気は全く感じられなかったですから。

映画は「フランケンシュタインの花嫁」などの作品で知られている、実在した映画監督ジェームズ・ホエールの人生を脚色したもので、怪物(monsters)を創造した人たち(gods)の話が、虚実折り重なるように語られていきます。ここで詳細に語るよりも実際に見ていただいた方がいいわけですが、とりあえず、映画の中の映像をいくつか貼り付けておきます。

ところで、何故、今頃この映画を取り上げたかというと、たまたまサウンドトラックを聞き返したからで、それ以外にこれといった理由はありません。Carter Burwell(カーター・バーウェル)はオーケストラを使って、定番的な映画音楽を書いているわけですが、映像に寄り添いつつも、感情の琴線に触れる稀有な楽曲として成立しており、独立した作品としても充分鑑賞に堪えると思います。もちろん映画を見ていれば、曲が流れる場面を反芻しながら聞くこともできるわけですが。

Carter Burwell Official Website: http://www.thebodyinc.com/main/home.shtml
Carter Burwell (Wikepedia): http://en.wikipedia.org/wiki/Carter_Burwell