Sylvain Chauveau (layer of perspectives vol.19)

水曜日に、エレクトロニカのイベント、layer of perspectiveに行きました。会場のOtis!は普段はもっと、ブルージーないしはエスニックな音楽のライブ演奏(ソロ・バンド)が多く、エレクトロニカ系の催しというのは珍しいですね。店の雰囲気を考えると、若干違和感はありましたが、普段と違った雰囲気で楽しめたのではないかと思います。

JRの遅れのせいもあり、会場に到着したのは、開演時間後になってしまいました。既に演奏が始まっていました。テレキテレコは、前半はソニックユース的なノイジーな音が中心になっていましたが、後半はかなり雰囲気が変わりました。構成を緻密に考えて演奏しているというよりも、あまり決めずにインプロ主体で進めているのかな? そのあたりは演奏後に聞いておけばよかったのかもしれません。少し前の作品になりますが、オルタナ・ロック、特にソニック・ユースあたりが好きな人はドラマーのジム・ブラックが結成したAlas No Axisを聞いてみてはどうでしょうか。

Jim Black Alas No Axis
Jim Black: drums, black box with glowing screen, black rubber chaos pad, pianica, buried guitar
Hilmar Jensson: electric guitars, wood grain box with black dials, other small boxes
Chris Speed: tenor sax, clarinet, green box with silver buttons, tiny keyboard
Skull Sverrisson: electric bass, black box with glowing screen, attachables

Splay (2002)はAlas No Axisのセカンドアルバムでイラストは、奈良良智、Stephen Winterが主宰するWinter & Winterからリリースされています。ボンバレコードから日本語解説付きの日本盤も出ています。そういえば、発売当時、パセーラの6階にあったヴァージンメガストアの試聴機に入ってました。センスのいい店員さんがいらしたんですね。

脱線してしまったので、イヴェントに話を戻します。ゲストのSylvain Chauveauはギター、エレクトロニクス、サイン波、ギターを用いた演奏で、ヴォーカルが入ることにより、アブストラクトなバックトラックにメロディアスな要素が加わり、でポップミュージックの形式に近づいてきます。"Stripped Down the Bone"とでも形容すべきような、剥き出しの肉体がそのまま外の世界にさらされているような生々しさがありました。最後の曲はThe Smithsのアルバム"Queen Is Dead" (1985)に収録されている"I Know It's Over"でした。アンコールにも応えていただき、充実したライブだったと思います。

Chauvauさんと話をする機会があったのですが、ホームページに書いているように、現代音楽の作曲家Morton Feldmanの影響を強く受けていると言っていました。フェルドマンの作品はいわゆるスティーヴ・ライヒフィリップ・グラスのようなミニマル・ミュージックとは違いますが、長い時間の中で微細に変化していくというスタイルが特徴で、ポップなものではないですね。フェルドマンの作品の中でも、特にピアノ曲に影響を受けたと言われていました。影響ということでは、ジョン・ケージ、それからフランス出身ということでクロード・ドビュッシーとかにも言及していました。最近のミュージシャンだとインプロヴァイザーの中村としまる http://www.japanimprov.com/tnakamura/tnakamuraj/index.htmlとか、Sachiko M http://www.japanimprov.com/sachikom/sachikomj/index.html 、AMM http://www.efi.group.shef.ac.uk/mamm.htmlとかをあげていました。

Morton Feldman/Triadic Memories (ピアノ:高橋アキ

中村としまる/Semi

Sachiko M en Experimentaclub 2008

AMM/Generative Theme I

Sylvain Chauveau/Never Let Me Down Again