Dennis Hopper, The Golden Palominos feat. Syd Straw

A little older,
A little more confused

年を取れば精神的に安定して落ち着いてくるかといえば、そうでもないわけで、悩みが減るわけでもないし、若いときよりも優柔不断になったような気がするなあ。自慢できるような立派な人生送っているわけではないので、あいからわずダメなままなんですが。誇りが埃になって散っていくような。

これ、The Golden PalominosのI've Been the Oneの出だしのところです。このセリフを読んでいるのがなんと、俳優のデニス・ホッパー http://www.allcinema.net/prog/show_p.phpnum_p=1181 http://en.wikipedia.org/wiki/Dennis_Hopper http://www.imdb.com/name/nm0000454/ なんですね。ホッパーといえば、古くは『理由なき反抗』、あるいは60年代後半の有名な『イージー・ライダー』、それから『ラストムーヴィー』といったあたりでしょうが、私にとってはデヴィッド・リンチ監督の『ブルー・ヴェルヴェット』でのフランク・ブース役の怪演ぶりが強烈でした。ジョディ・フォスター主演の監督作、『バックトラック』あたりもいいんですが。ホッパーに関しては、谷川建司(2011)『アメリカの友人:東京デニス・ホッパー日記』(キネマ旬報社)を読んでみてください。社会学者である著者とホッパーの交遊録ですが、それだけにとどまらず、裏話的なところまで含めたある意味包括的なホッパーに関する論考(学術論文的な体裁は取ってはいませんが、あくまで日記なので)になっていると思います。

長々とホッパーの話をするつもりはなく、本論はゴールデン・パロミノスです。このグループはThe Feeliesのオリジナルメンバーであったドラマーのアントン・フィア(Anton Fier)を中心に結成されたバンドで、メンバーは固定されておらず、かなり流動的です。ファーストアルバムはジョン・ゾーン(John Zorn)、フレッド・フリス(Fred Frith)といった、ニューヨークダウンタウンの人脈(ちなみにフリスは英国出身のギタリスト)で固めた布陣で、アヴァンギャルド好きな人には評価が高い作品になっています。

2枚目のアルバムからはヴォーカルにR.E.Mのマイケル・スタイプ(Michael Stipe), ジャック・ブルース(Jack Bruce), マシュー・スウィート(Mattheiew Sweet), ドン・ディクソン(Don Dixon),シド・ストロー(Syd Straw), ロリ・カーソン(Lori Carson)あたりを迎えた、ロック寄りの作品に仕上がっています。そういえば、後期のアルバムにアンビエントダブのようなものもありました。"I've Been the One"はSyd Strawのヴォーカルをフィーチャーしたもので、この当時のライブがいくつかYouTubeにアップされています。思いのほか、音質もよく、映像も鮮明です。アルバムだと"Blast of Silence"とか"Visions of Excess"あたりになるのかな。私が聞いたのは、"A History"という2枚のベスト盤です。今聞いても十分鑑賞に堪ええる強度があるのではないでしょうか。これ以降の作品、例えば、Lori Carsonをフィーチャーしたものなどは、また別の機会に取り上げたいと思います。

この時期のマシュー・スウィート、まだスリムな体型保ってますね。最近は相当なメタボ体型に変わっていて、見るかげもありません。そういえばおととしだったか、The BanglesのSuzanne Hoffs(スザンヌ・ホフス)とのデュオで来日していましたが、Hoffsは、昔のままの体型で美しかった(可愛くもありましたが)、Sweetはちょっとどうかなという感じでしたね。私も今後は心してかからないといけないなと強く思いましたね。それでは、このあたりで、to be continued...