Todd Terje, Roxy Music/Love Is the Drug

トッド・テリエがロクシー・ミュージックのラブイズザドラッグをリミックスした12インチが出ていますが、買いそびれてしまいました。入荷してすぐに売れたそうです。おそらく数百枚程度しか流通してないんじゃないかと思います。しかし、今はネットの時代なので、こうして映像付きで見ることができるわけです。

映像はロクシーの初期・中期を時系列を無視して貼り合わせています。この時点で、とっくに脱退しているはずのブライアン・イーノの化粧した顔が出てきたりしますから。変といえば変なのですが、映像的におもしろいものを持ってきて繋いだのだと思います。Love is the drugは5枚目のアルバム SirenのA面1曲目の曲ですね。唸るようなベースの音で曲が始まり、エンジンかけて車を走らせる効果音が続きます。かなりファンクっぽいアプローチの曲で、アルバム全体の雰囲気も前作とかなり違い、よりまとまってきたというか統一感があります。ただその分、強烈に印象に残る曲が少なくなったような気はします。この後、ツアーがあり、しばらく活動は休止し、ブライアン・フェリーはソロアルバムの制作に取り掛かります。この時期数枚のソロアルバムがリリースされますが、The Bride Stripped the Bare (ベールを脱いだ花嫁)が思ったほどヒットせず、ロクシー・ミュージックはアルバムManifestoの発表を持って活動を再開します。キーボード、エレクトリックヴァイオリンのEddie Jobsonは脱退し、このアルバムからはセッションミュージシャンがキーボード担当になります。確か、Paul Carrackあたりだったかな?

アルバムサイレンに戻ります。サイレントいうのは男を惑わす海の妖精のことで、ジャケットはサイレンの姿に扮したJerry Hallが写っています。この時期フェリーはホールと付き合っていたのですが、しばらく後にローリング・ストーンズMick Jaggerにホールを奪われてしまい、ジェリー・ホールはミック・ジャガー夫人となり現在に至ります。この事実を踏まえて、改めてジャケットを見ると、いろいろと考えさせるものがあります。まあ、でももうこれ、30年以上前の話なんですが。フェリーはソロのThe Bride Stripped the BareでVelvet UndergroundのWhat's Going On? をカバーして、そこに"How do you feel to be loved?"(「愛されるのはどういう気分?」という歌詞を付け加えています。ミック・ジャガーに対する当てつけみたいでおもしろいですね。


2002年でのアポロでのロクシー再結成時のライブを見ると,ロクシーのドラマーはPaul Thompson意外には考えられないということがわかります。アヴァロンから、スタジオミュージシャンのAndy Newmarkとかが叩くようになりますが、あまりロックっぽい感じはしなくて、どこらかというとAOR的なんですよね。テクニック的には、うまいのは当然なのですが、バンドっぽい音ではなくなってきています。多少ぎこちなくてもやはりトンプソンでしょう。