King Crimson "Thrak 2015 Stereo Mix"

1995年に発売された"Thrak"の2015年ステレオ・ミックスを聞いている。ミックスはJakko Jakszyk (ジャコ・ジャクシズク)とRobert Fripp (ロバート・フリップ)、マスタリングはSimon Heyworth (サイモン・ヘイワース)とフリップの二人がクレジットされている。

私が聞いているのは40周年記念盤の2枚組の方で、16枚組のボックスセットはまだ聞いて(購入して)いない。既発音源だけでなくライブやデモ等の未発表音源も多く含まれているようなので、時間と金銭に余裕があれば、ぜひそちらも聞いてみたいと思っている。

ボックスセットの発売に関連して、いくつかおもしろい映像(音源)がDMGから公式に発表されているようなので、貼り付けておきます。一番最初の映像"Mr.Bill"は日本ツアーの移動中の光景を撮ったもので、おそらく1995年前後のものでしょう。"Mr.Bill"というのはドラマーのWilliam (Bill) Bruford (ビル・ブルフォード)を指しているのだろうか。ブルフォードは残念ながら音楽活動から引退してしまっているので、ライブ演奏を見ることはできない。King Crimsonに参加する直前までYesに在籍しており、アルバム"Close to the Edge"の録音後に脱退し、Crimsonに加入した。このアルバムは組曲のような形式で継ぎ目なく曲が続いていく構成となっており、Yesのアルバムの中で前作の"Fragile"と並んで高い評価を得ている。10代の時に本当に良く聞いたアルバムで、これは本当に傑作だと思う。その後Crimsonでは"Larks' Tongues in Aspic"、"Starless And Bible Black", "Red"、"Discipline"からの3枚、"Thrak"あたりまで、かなり長い期間(といっても途中それなりの期間があいていたりしたが)在籍していた。

第一期クリムゾンのラストアルバムとなった"Red"はNirvirnaのKurt Cobainも良く聞いていたらしい。"Red"は轟音でヘヴィメタリックであると形容されることが多いが、非常に緻密に構築/構成されており、決して感情の赴くままに爆音を垂れ流していたわけではない。矛盾しているように聞こえるかもしれないが、日頃の鍛錬/訓練(discipline)の成果が結実した表現であり、轟音の中に静寂を感じ取ることすらできる。