大林宣彦『野のなななのか』

大林宣彦監督の新作『野のなななのか』を八丁座に見に行った。朝の一回のみの上映でぎりぎりの時間についたため、一番後ろの背もたれのないイス席になってしまったが、3時間弱の間、さほどしんどい思いをすることもなく過ごすことができた。大林監督といえば、一時期角川の映画を撮っていたこともあり、メジャーな映画を取る人という先入観があるが、町興し映画と市民の協力で作られた前作同様、今作もインディペンダントな形態で制作され、上映も大手を通しているわけではない。正直、少し長いとは感じたが、映画という形を取った戦争を巡るドキュメンタリーとして見るべきかもしれない。映画の中で常盤貴子演じる女性が一体誰なのか、終盤に近づくにつれてだんだんその正体がわかりかけてくるのだが、本当のところは最後までわからない。答えは見た人それぞれの解釈に委ねられている。

野のなななのか』公式サイト:http://www.nononanananoka.com/