eiko ishibashi (石橋英子) "car and freezer"

石橋英子の新作"car and freezer"は前作のピアノ・ソロとは打って変わって、ヴォーカルを中心にしたアルバムで、前野健太作詞によるcar sideと自作の英語詞によるfreezer sideの二枚組で構成されている。二枚とも曲は同じなのだが、翻訳ではなく、別々の歌詞が付けられているというちょっと変わった作り方がされている。この経緯はインタビューと対談を読んで確認してほしい。

数年振りのヴォーカルアルバムということもあって、かなり期待して購入したのだが、その期待が裏切られることはなかった。一曲目の最初の音を聞いただけで、思わず引き込まれてしまった。正直なところ、なかなかこういう作品に巡り合うことはないと思う。これから繰り返し聞き返すことになるだろう。思えば、全ての出会いは偶然であり、たまたまある場所にいてそこで目にしたもの、耳にしたものに打ちのめされるということがある。そうした経験を「偶然」ということばだけで片付けてしまうことには抵抗がある。奇跡と呼ぶのは大げさかもしれないが、ひょっとしたら「偶然」以上の何か特別な意味がそこにあるのかもしれない。このアルバムを聞いていて、ふとそんなことを考えてしまった。

もう死んだ人たち:
Jim O'rourke (guitar, pedal steel, acoustic bass, synthesizer, backing vocal)
Toshiaki Sudoh (electric bass, backing vocal)
Tatsuhisa Yamamoto (drums, percussion, backing vocal)
Atsuko Hatano (violin, cello, backing vocal)

guest musicians:
Daisuke Takaoka (tuba)
U-zhaan (tabla)
Shinpei Ruike (trumpet)
Kafka (backing vocal)
Kenta Maeno (vocal)

石橋英子公式ウェブサイト:http://www.eikoishibashi.net/
石橋英子(Twitter):https://twitter.com/Eiko_Ishibashi
石橋英子car and freezer セルフライナーノーツ:http://1fct.net/archives/7741
石橋英子Qeticインタビュー http://www.qetic.jp/interview/ishibashi-eiko-7/111136/
石橋英子×前野健太対談(cinra.net):http://www.cinra.net/interview/201403-ishibashimaeno