Park Chan-wook "Stoker"

パク・チャヌク監督の新作、「イノセント・ガーデン」は原題が"Stoker"となっており、これは「ドラキュラ」の原作者であるBram Stoker (ブラム・ストーカー)に由来し、また、この映画の中心人物のファミリーネームでもある。原題をそのままカタカナ読みで「ストーカー」にすると、どういう映画かわからなくなってしまうので、邦題のほうが映画の内容を的確に表現している。ただし、この映画が扱っているのは、イノセンスの終焉であるので、逆説的な意味として捉えればならないが。

映画は主人公である、インディア(ミア・ワシコウスカ)のモノローグで始まる。ちょうど18歳の誕生日を迎えたばかりの彼女に、父親が事故で亡くなったという知らせが入り、葬儀には長年音信不通であった、叔父さんのチャーリー(マシュー・グード)が突然現れ、インディアと彼女の母(ニコール・キッドマン)が住む家に滞在することになり...(この続きは実際に映画を見て確認してください)

脚本がよく練られており、無駄な場面や台詞がなく、スタイリッシュな映像と音が堪能できる。道徳的な教訓や心温まる話を期待する人は見ないほうがいいとは思うが。音楽はサウンドトラックがClint Mansell (クリント・マンゼル)、映画の中でチャーリーとインディアが弾くピアノ連弾の曲はPhilip Glass (フィリップ・グラス)によるものである。

Clint Mansell Official Website: http://www.clintmansell.com/
Philip Glass Official Website: http://www.philipglass.com/

毎年、誰かがインディアの誕生日に靴を送り続けており、父親ではないかと最初は思っていたのだが、実は叔父のチャーリーが送っていたことが明らかになる。チャヌク監督はこの件について、インタビューで触れ、韓国では相手に靴を送ると、逃げられてしまうというジンクスがあり、チャーリーはそれを知っていたのではないかと、仄めかしている。

Nicole Kidman, Matthew Goode, Mia Wasikowska on 'Stoker': Sundance Film Festival

イノセント・ガーデン公式サイト: http://www.foxmovies.jp/innocent-garden/
Stoker Official Website: http://www.foxsearchlight.com/stoker/
Stoker (Facebook): https://www.facebook.com/stokermovie
Stoker (International Movie Database): http://www.imdb.com/title/tt1682180/
パク・チャヌク監督インタビュー(1): http://www.wowkorea.jp/section/focusread.asp?narticleid=113049
パク・チャヌク監督インタビュー(2): http://www.wowkorea.jp/section/focusread.asp?narticleid=113117
Park Chan-wook Interview (Speakeasy): http://blogs.wsj.com/speakeasy/2013/03/03/park-chan-wook-on-stoker-and-spike-lees-oldboy/