Sylvain Chauveau Japan Tour 2012

昨年は震災のため、公演が中止になった、シルヴァン・ショヴォー http://www.sylvainchauveau.com/
http://en.wikipedia.org/wiki/Sylvain_Chauveauが4月に来日http://www.flau.jp/events/sylvain2012.htmlします。日程の詳細は、flauのリンクで確認してください。広島での公演はエレクトロニカのイベント、"layer of prespectives vol.19" http://homepage2.nifty.com/live-otis/live.htmlに参加ということになります。

1971年にフランスのバヨンヌ(Bayonne)に生まれ、現在はベルギーのブリュッセルに在住。ピアノや弦楽器、声、エレクトロニクス等を用いて、ポスト・クラシカルな室内楽的な作品から、映画音楽、エレクトロニカ的な作品、Depeche Modeのカバー集"Down to the Bone"まで幅広く手掛けています。最小限の音で最大の効果を上げるという引き算の美学で作られた、ミニマルで静謐な響きの作品がChauveauの特徴と言えるのではないでしょうか。正に"Down to the Bone"ですね。Audiopleasuresに掲載されているインタビューのリンクを貼っておきます。最初のものはその日本語訳です。

インタビュー:
http://waya-waya.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/sylvain-chauvea.html
http://audiopleasures.blogspot.jp/2009/06/sylvain-chauveau-interview.html

インタビューでは、音楽的、文化的にYann Tiersen (ヤン・ティルセン)http://www.yanntiersen.com/の影響を受けていると語っています。ティルセンは、Jean Pierre Jeunet(ジャン=ピエール・ジュネ)監督http://www.imdb.com/name/nm0000466/サウンドトラック、例えば、公開当時、日本でも話題になった、『アメリ(Amelie)』のスコアを書いています。過去の音楽的影響としては、Morton Feldman http://www.cnvill.net/mfhome.htm
Bernhard Günter http://en.wikipedia.org/wiki/Bernhard_G%C3%BCnterの二人を挙げています。モートン・フェルドマンは作品も多く、影響力のある現代音楽の作曲家の一人で、図形楽譜の考案者としても知られていますが、演奏者があまりにも勝手な解釈をするために、途中で止めてしまったようです。静謐で微細な変化を伴うミニマルな作品が特徴で、80年代以降の作品は演奏時間が数時間にも及ぶものもあります。1957年にドイツのノイヴィッド(Neuwied)で生まれた、ベルンハルド・ギュンターも、フェルドマン同様にジョン・ケージの影響を強く受けており、ミニマリスト的な作風で知られています。ジャズ。ロックのドラマーとして音楽的活動を始めましたが、現在ではサンプルを多用した音楽を作っており、自身のレーベル Trente Oiseauxを設立しました。

フェルドマンもギュンターもミニマルな作風で知られていますが、Chauveauの場合は現代音楽的なイディオムというよりも、もう少し、ポップミュージックのアプローチに近い手法で作られているのではないでしょうか。音数を切り詰めて作られたDepeche Modeのカバーのように、確かに通常のロック・ポップの慣習的な枠組みで音楽自体は構成されているのだけれども、全く違った響きを奏でる作品に変化しているものとか。ある種の音響的な作品といえなくもないですが。それでは、いくつか代表的な作品を聞いてみてください。