Throwing Muses/Real Ramona

先週のヲルガン座のイベントの後、知人と会場で雑談していたのですが、話題がモリッシ―から、スミス、ピクシーズへと飛び、80年代中盤から90年代あたりを振り返るような展開になりました。ピクシーズは全盛期が80年代後半なので、もう20年前なんですね。ニルヴァーナはその後で、シアトルグランジは90年代前半だったかな? そうか、ニルヴァーナあたりでも古いのか、とか。何か、懐古的といいますか、昔を振り返るような話に終始したような気がしますね。このあたりのことってつい最近のような気がしていたんですが、そんなに前のことなのか、そうなのかという自問自答の無限ループに入りつつあったような。

ところで話をPixiesに戻すと、活動休止後であったにも関わらず、ライブの演奏は全く衰えていませんでした。チケットも高かったんですが、広島のクラブクアトロにおそらく数百人は入っていたはずで、後で聞いたら友人や知人も何人か会場にいたようなんですが、当日は気づきませんでした。それぐらい客が多かったということなんですが。Pixiesというと、レーベルはボストンのバンドにも関わらず、何故か英国の4ADで、ともかくジャケットのアートワークのデザインが秀逸で、例えばPixiesのファーストのSurfer Rosaとかはフラメンコの女性なんですが、圧倒的な素晴らしさでしたね。私はファーストからリアルタイムでずっと聞いていましたが、メンバーの顔写真だったら絶対に買っていなかったと断言できます。ここまではっきり言うのはどうかと思いますが、それぐらい4ADのトータルのデザイン、アートワークはレベルが高かったということです。

前置きが長くなってしまいましたが、4ADというとPixiesの他に、ロードアイランド出身のバンド、スローイング・ミュージズhttp://www.kristinhersh.com/http://www.myspace.com/90923594があります。一週間ぐらい前から気になって、聞き直しています。MusesというとReal Ramonaかなと。アルバムとしてのまとまり、統一感で言えば、その前のHunkpapaのようがいいのかもしれませんが、ポップでキャッチ―な曲も多く、こちらの方が人気がありますね。バンドはKristin HershとTanya Donellyを中心に結成されたのですが、このアルバムを後にドネリーが脱退(後にBellyを結成)し、その後のバンドはハーシュのソロ的な色彩が強まっていき、ポップな部分が減少し、内省的でやや暗い雰囲気の曲が増えていきます。バンド解散後のハーシュのソロ作はこの傾向がもっと強くなりましたね。そういうことを踏まえて聞くとReal Ramonaはある意味バランスの取れた作品だったのかもしれません。極端に暗くなりすぎす、適度にポップな明るさもあって、これが好きな人が多いというのも頷けるところがあります。アメリカでは熱心なファンも多く、アマゾンコムのカスタマーレビューhttp://www.amazon.com/Real-Ramona-THROWING-MUSES/product-reviews/B000002LO7/ref=dp_top_cm_cr_acr_txt?ie=UTF8&showViewpoints=1でも、「10代の頃によく聞いていて、今もずっと聞き続けている」とか「ショップの棚でみつけたら、既にCDを持っていてももう一枚買いたくなる」とか、賛辞が多く書かれていました。今でも充分通じる音だと思いますので、ぜひ聞いてみていただきたいと思います。