Ego Wrappin' Live @広島クラブクアトロ

Ego Wrappin' Official Website: http://www.egowrappin.com/

エゴ・ラッピンのライブを最初に見たのは新宿のリキッドルーム(現在は恵比寿に移転)で、単独のライブではなく、DCPRG (デートコースペンタゴンロイヤルガーデン)とかも参加していた大規模なイベントであり、それまでに「色彩のブルース」とかは耳にしていたものの、熱心なファンというわけでもなかった。エゴ・ラッピンはヴォーカルの中納良恵の歌だけではなく、当時も今も基本的にライブバンドであり、鉄壁のリズムセクションに加えトランペットやサックス等が立体的に鳴り響くライブを体感しなければ、その本当の魅力はわからない。あれから、できるだけライブには足を運ぶようにはしているのだが、そのために全国を飛び回るというわけにもいかず、前回行ったライブからは既に数年が経過してしまった。
 今回、ツアーに合わせて新曲2曲を含むベスト盤2枚とカバーで構成された計3枚組のCDが発売され、ライブではこのアルバムの収録曲を中心に演奏された。ライブの前半は時折曲間のトークも織り交ぜつつ、緩急変化に富んだ展開を見せ、中盤から後半にかけてはアップテンポの曲を中心に盛り上げるといった構成で、あっという間に時間が過ぎ去っていった。その後、鳴り止まぬ拍手の後にアンコールが始まり、更なる盛り上がりの中で3曲演奏して終了。
 今回のライブではアルバムに収録されたカバー曲が全て演奏されたわけではなく、何故かDavid Bowieデヴィッド・ボウイ)の"Ziggy Stardust"は歌われなかったのだが、これは何か理由があったのだろうか? このアルバムの1枚目は「太陽盤」、2枚目は「月盤」、3枚目は「星盤」と名付けられていることからもわかるように、David Bowieへの追悼が意図されていると考えてもおかしくはない。アルバムでは"Ziggy Stardust"の次にBowieの盟友であったBrian Enoブライアン・イーノ)による"By This River"のカバーが収録されており、続けて聞けばEnoの曲がBowieの追悼になっていることがわかる仕掛けになっている。アルバム、ライブ共に"By This River"は原曲とほとんど同じアレンジで演奏された。因みに原曲はBrian Enoのソロアルバム"Before and After Science"に周力されており、EnoとCluster (クラスター)のメンバー2人のみの演奏となっている。ライブでは中納良恵のキーボード弾き語りと森雅樹のヴォーカルのみで演奏された。

David Bowie Official Website: http://www.davidbowie.com/
Brian Eno Official Website: http://www.brian-eno.net/