0 "Umarete Wa Mita Keredo"

先日、といっても約2週間前になるが、所要で京都に出かけた折に、0のライブに足を運んだ。このバンドの中心メンバーであるSylvain Chauveauは何度か来日している。今までに、広島で定期的に開催されているエレクトロニカのイベント"layers of perspective"にゲストとして参加したときのソロのライブと、岡山でのバンド(これはほぼ即興だったと思う)のライブを見ている。今回の来日公演は新作アルバム"Umarete Wa Mita Keredo"の発売に合わせたもので、このアルバムの曲(ほぼ全曲)を中心に演奏された。このアルバムは1932年に公開された小津安二郎サイレント映画『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』のサウンドトラックとして作られたもので、演奏と同時に会場の背後の壁に映画が上映された。京都の公演はPolar M、Noahとのジョイント・ライブでおそらく時間の制約のためか、映画はところどころ飛ばして半分位の時間に短縮しての上映であった。ただし岡山の公演では映画を全編上映し、演奏も全曲行っている。

京都の会場へは少し遅れて着いたので、Noahの演奏の途中から入ったことになる。NoahはJuliana Barwickのような感じの静謐なエレクトロニカで、先入観なしに聞いたのがかえって良かったのか、期待した以上に楽しめた。

会場は京都ゲーテインスティテュート・ヴィラ鴨川で、京阪丸太町駅から徒歩7分位のところにある。鴨川沿いで、河原町木屋町あたりの喧騒から離れた少し静かで落ち着いた佇まいの場所で、演奏の後の余韻を反芻しつつ、軽やかな足取りで気分良く帰路につくことができた。

最期にFlauのウェブサイトからバンドの略歴を転載しておきます。

O(ゼロ)は2004年にJoël Merah(acoustic guitar)、Stéphane Garin(percussion, glockenspiel)、Sylvain Chauveau(glockenspiel,acoustic guitar)によって結成されたアンサンブル。フランス南西部のバイヨンヌ/ベルギーのブリュッセルを中心に活動している。これまでにヨーロッパ各地での様々な音楽祭やホールで公演、自身の作品演奏に限らず、Steve Reich, Morton Feldman, 杉本拓, John Cage, Eric Satie, Gavin Bryarsらの作品も演奏し、アンサンブルの持つ未知なる可能性を追求している。

band 0 Official Website: http://0sound.tumblr.com/
Sylvain Chauveau Official Website: http://www.sylvainchauveau.com/
Flau Official Website: http://flau.jp/
小津安二郎 生誕110年(松竹): http://www.shochiku.co.jp/ozu/
ゲーテ・インスティテュート・ヴィラ鴨川公式ウェブサイト: http://www.goethe.de/ins/jp/ja/kam.html