Joel & Ethan Coen "Inside Llewyn Davis"

最近、なかなか映画を見に行けないのだが、久方ぶりに見たのがコーエン兄弟(ジョエル&イーサン・コーエン)が監督した"Inside Llewyn Davis"「インサイドルーウィンデイヴィス」。正直行ってあまりフォークミュージックが好きなわけではないのだが、コーエン兄弟の映画は初期の「ブラッド・シンプル」、「ファーゴ」あたりから「ミラーズ・クロッシング」、「ビッグ・リボースキー」、「ノーカントリー」ぐらいまでほとんど全て公開順に見ており、かなり期待して見に行ったわけだ。まあ、悪くはないのだが、あまり乗れなかったというか、短い映画であるにも関わらず長く感じてしまった。音楽監督はT.Bone Burnett (T・ボーン・バーネット)で悪いはずはないのだが。日を変えて、もう一度見直してみればまた違った見方ができるかもしれないので、たかだか一回見たぐらいで、評価をするのは控えておこう。

主人公のルーウィンはやることなすこと全てが裏目に出てしまい、自分がその時は最善であると思って下した選択が、後で必ず悪い結果をもたらすという伏線になっている。ルーウィンが妊娠させてしまった(可能性のある)ジーンが人間には「出世主義者」(careerist)と「負け犬」(loser)の二種類があり、「あんたは負け犬よ」とルーウィンを罵る。確かに「出世主義者」はこんな映画を見に来たりはしないだろうし、どこかで自分の人生に負い目があったり、問題を抱えていなければ、主人公の心情に共感することはできないだろう。日々、家族や恋人、友人たちから、「いい年してまだそんなことやっているのか」と言われ続けている人がこの映画を見ると身につまされるところがあるかもしれない。

映画公式サイト:http://www.insidellewyndavis.jp/
http://www.insidellewyndavis.com/home
Coen Brothers Official Website: http://www.coenbrothers.net/
Coen Brothers Film Reviews (The Guardian): http://www.theguardian.com/film/coenbrothers