Garbiel Fauré "Requiem"

Garbiel Fauré "Requiem"

フォーレのレクイエムは悲愴な死のイメージを喚起するというよりも、むしろその逆で肉体から解放されたことを祝福するかのような曲調であり、教会のミサで使えるような因習的な作品とはかけ離れている。死の恐怖を表現するというよりも、永遠の安らぎを得たことを祝福するために書かれたようで、宗教的(religious)な文脈ではなく、世俗的(secular)に解釈され、聞かれるべきではないだろうか。フォーレ自身もこのあたりのいきさつを述べているので、詳細は以下のリンク先で確認してみてください。フォーレ自身もどちらかというと世俗的な人で、宗教的な道徳観に縛られるような生き方はしていない。ここでちょっと脱線しますが、宗教に対立することばは世俗であって、アメリカでは宗教的原理主義者(religious fundamentalist)がリベラル派に対して「世俗的ヒューマニスト(secular humanist)」と言って攻撃していたわけです。ヒューマニズムというのは人間中心主義だから、宗教の否定なわけです。アメリカにいたときに、"secular humanism"意味が最初よくわからなかったわけですが、こういう文脈の中で使われているということが、だんだんわかってきたのですが、日本にいるとこのあたりのことはなかなか実感としてわかりにくいものがあります。「オリエンタリズム("Orientalism")」の著者として知られている批評家のエドワード・サイード(Edward W. Said)http://en.wikipedia.org/wiki/Edward_Saidは自らの批評を「宗教批評(religious criticism)」に対抗して「世俗批評(secular criticism)」と言っていましたね。フォーレのレクイエムに戻りますが、かなりの数の演奏があり、一応アンドレ・クリュイタンスとミシェル・コルボの指揮したものが名盤としてよく聞かれているようです。しかし両盤とも録音が古く音質に難ありという指摘もあり、最近のものではフィリップ・ヘレヴェッヘ(Philippe Herreweghe)のものがお勧めでしょうか。ちなみにyoutubeのリンクはヘレヴェッヘの演奏です。

Garbiel Fauré(Wikipedia): http://en.wikipedia.org/wiki/Gabriel_Faur%C3%A9
フォーレ レクイエムの歌詞と音楽: http://www.kanzaki.com/music/ecrit/faure-requiem.html

第9回原爆犠牲者のためのスピリチュアルコンサート
http://www.eum.ac.jp/cms/site_ja.nsf/page/toStudent/Alumni/20120806.html

コンサートシリーズ〜み心の祝日記念スピリチュアルコンサート
http://www.eum.ac.jp/cms/site_ja.nsf/page/tohear/mikokoro.html