Gavin Bryars "The Sinking Of The Titanic"

タイタニック号は1912年4月15日に沈没し、今年でちょうど100年を迎えることになる。沈没する船で音楽家達が讃美歌を演奏していたことが知られており、それに触発されて、英国の作曲家、ギャヴィン・ブライヤーズが"The Sinking of the Titanic"を作曲、レコーディングした。この作品は最初、"Jesus'Blood Never Failed Me Yet"とのカップリングでブライアン・イーノの主宰するオブスキュア(Obscure)より1975年、そのリマスター盤が1998年にヴァージン(Virgin)よりリリースされた。1990年にGavin Bryars Ensembleによるライブ盤がクレプスキュール(Les Disques du Crepscule)より、同アンサンブルによるスタジオ盤が1994年にPoint Music (ポイントミュージック)より発売された。
 "The Sinking of the Titanic"を聞き返してみようと思ったのは、6月15日(金)にエリザベト音楽大学で行われた、スピリチュアルコンサート「み心の祝日記念」の説教で、タイタニック号の沈没時に演奏を続けていて亡くなった音楽家の話に言及があったからで、細野晴臣の祖父にあたる人がタイタニックに乗っていたという話もありました。演奏会はパイプオルガンの曲と讃美歌が交互に演奏された。日本の通常の建築物とは違い、天井が相当に高く、建物自体に独特の響きがあり、この場所でなければ得られない五感を総動員して体感する音楽的経験で、これはどんな高価なオーディオ装置を使っても再現できない一回限りの貴重な体験なのだということが実感された。再現すべきものではなく、記憶にとどめておくべき一度切りの体験。そう、音をつかまえておくことなどできはしないのだから。

Gavin Bryars "Sounds For The Sinking Of The Titanic" (Documentary)
http://www.gavinbryars.com/ (Official Site)
http://www.culturekiosque.com/klassik/intervie/e_bryars.htm (インタビュー、英語)
http://www.netlaputa.ne.jp/~pass-age/MINIMAL/bryars.html(日本語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Gavin_Bryars(英語)

Gavin Bryars "The Sinking Of The Titanic" (Performance)

http://www.myspace.com/gavinbryarsmusic