New Zion Trio "Fight Against Babylon"

ジャミー・サフトhttp://www.jamiesaft.com/率いるピアノトリオですが、いわゆる通常のジャズのピアノトリオ(ビル・エヴァンスの亜流のような)ではなく、レゲイ的な音響を奏でるところにその特徴があります。サフトはジョン・ゾーンのいくつかのアルバムにも参加しており、所謂ニューヨークダウンタウン派の一人と括ることができるかもしれません。少し前にゾーンの主宰するTzadikhttp://www.tzadik.com/レーベルから、ボブ・ディランのカヴァー集(Jamie Saft"Trouble")を出したことがあり、なかなかおもしろいアルバムだったので印象に残っています。発売当初は多少、話題にもなっていたようで、確か、ピーター・バラカンの番組(「ミュージック・サンシャイン」)でも取り上げられていたような気がします。サフトは、ユダヤの伝統音楽であるクレツマーから、フォーク、ヘヴィメタルレゲー(ダブ)、サーフ、ジャズ、ノイズとジャンルに捉われない活動を展開しており、メルツバウ(Mertzbow)http://www.merzbow.net/との共演もあります。作曲家、演奏家、依サウンドエンジニアとして活動し、ニューヨーク、ブルックリンのフランクブーススタジオ(Frank Booth Studio)を運営しており、このスタジオで、ツァディックレーベルの多くのアルバムが録音されています。ミュージシャンとしては、John Zornの Electric Masada、Bobby Previteの Coalition of the Willing、Dave Douglasの Keystone ensemble 、Jane Ira Bloom's quartet等に参加しています。経歴等の詳細は下記のインタビューで確認してください。http://www.allaboutjazz.com/php/article.php?id=20743&pg=1

最初の映像はBob Dylanのカヴァーで次のものは、Mertzbowとの共演です。

今回取り上げたNew Zion Trioの新作は昨年発売されたものですが、最近広島のタワーレコード、ジャズコーナーの目立つところに置いてあり、バイヤーの方の熱い思いが伝わってきます。確かにメガセールスが期待できるようなものではありませんが、音楽好きの人にはぜひ聞いていただきたい作品です。演奏はホッとというよりも、いくぶん抑えたクールな感じで、別にいつ聞いてもいいのですが、朝方あたりがいいかもしれません。ライブはかなりの熱演ですが、CDはそれに比べると少し落ち着いた感じですが、熱気がじわじわと伝わってきます。

New Zion Trio:
Jamie Saft- Piano, Fender Rhodes
Larry Grenadier - Acoustic Bass
Craig Santiago - Drums